最初のプログラムでは、ローソク足の終値を描画します。PyneIDEをインストールし、プロジェクトフォルダーを作ってから、サンプルデータで実行します。

コードを1行ずつ読むのは次の章です。ここではまず、エディターと実行方法に慣れましょう。

必要なもの

Visual Studio Codeが動くコンピューターと、PyneIDEおよび実行環境を初めてインストールするときのインターネット接続が必要です。PyneIDEはVisual Studio Code 1.90以降で動作します。

学習の全過程は無料です。Visual Studio Code、PyneIDE拡張機能、PyneCore実行環境は、いずれも無料でインストールして使えます。この本の例題を書くことや実行することにも料金はかかりません。

PyneSysアカウント、APIキー、有料サブスクリプションは不要です。Pyne codeは自分のコンピューター上で実行します。練習には、この本のサンプルデータを使います。

PyneIDEのインストール

  1. Visual Studio Codeがまだなければ、公式サイトからインストールします。
  2. Visual Studio Codeを起動し、View → Extensionsを開きます。公式のVisual Studio Code Marketplaceで拡張機能を探せます。
  3. 検索欄にPyneIDEと入力し、発行元がPyneSysのPyneIDE拡張機能を選びます。
  4. Installをクリックし、完了するまで待ちます。
  5. 再読み込みを求められたら、Reloadを選びます。

プロジェクトを作る

プロジェクトは、プログラム、データ、結果をまとめて置くフォルダーです。pyne-bookという空のフォルダーを作り、**File → Open Folder…**で開いてください。

PyneIDEのメニューから、プロジェクトの作成を開始します。

  1. ウィンドウ右下のステータスバーにあるPyneIDEをクリックします。PyneIDEの操作メニューが開きます。
  2. メニュー上部の検索欄にInitializeと入力すると、プロジェクト作成の操作が見つかります。
  3. Initialize Pyne Projectをクリックします。プロジェクト用のフォルダーとサンプルファイルの作成が始まります。
PyneIDEのメニューにInitialize Pyne Projectが表示され、右下のステータスバーにPyneIDEの項目がある画面。
右下のPyneIDEをクリックすると、拡張機能のメニューが開きます。Initializeで検索し、Initialize Pyne Projectをクリックすると、プロジェクトを作成できます。

初回は、PyneIDEが実行環境の設定を提案します。Setup Nowをクリックし、完了するまで待ってください。必要なPythonとPyneCoreが、拡張機能専用の環境にインストールされます。提案を閉じてしまった場合は、右下のPyneIDEをもう一度クリックし、メニューのSetup Environmentを選びます。

フォルダー構成を作る場所を尋ねられたら、Use this folderを選びます。開いているフォルダーの直下にプロジェクトが作られます。

左側のアイコンバーにPyneビューが現れます。開いてみてください。プロジェクト内のプログラムやデータが表示されます。

PyneビューにScripts、Data、Outputのグループと、プロジェクトの最初のプログラムが表示されている画面。
Pyneビューに表示されたプロジェクト。Scriptsにはプログラム、Dataにはデータ、Outputには結果が入ります。

フォルダーの中身

  • scriptsにプログラムを置きます。Pyne codeファイルの拡張子は.pyです。
  • dataには処理するデータを置きます。生成されたdemo.ohlcvは、学習用のサンプルデータです。
  • outputには実行結果が保存されます。
  • configはプロジェクトの環境設定を保存するフォルダーです。この章では変更しません。

.ohlcvは、ローソク足のデータを保存するファイルの拡張子です。OHLCVは、始値、高値、安値、終値、出来高という5つのデータの名前から来ています。ローソク足データの章で詳しく説明します。

最初のプログラムを書く

自分のプログラムは、Pyneビューで直接作れます。

  1. Scriptsグループの行にマウスポインターを置くと、右端に**+**ボタンが現れます。
  2. **+**をクリックして、作るプログラムの種類を選びます。
  3. Pyne Indicatorをクリックします。今回はPyne codeで指標を作ります。
  4. 名前の欄にfirst_chartと入力し、Enterを押します。PyneIDEが自動で.pyを付け、scripts/first_chart.pyを作成してエディターで開きます。
右端にプラスボタンがあるPyneビューのScriptsグループと、その下のサンプルプログラムdemo.py。
Scriptsの行にポインターを置くと、新しいプログラムを作るためのプラスボタンが右端に現れます。

開いたファイルには指標のテンプレートが入っています。すべて選択し、下のコードに置き換えます。ファイル名のアンダースコアは2つの単語をつなぎ、.pyはPython構文のファイルの拡張子です。

次のコード全体を貼り付けて、保存してください。

"""
@pyne edge
"""
from pynecore.lib import close, color, plot, script

@script.indicator("My First Chart", overlay=True)
def main():
    plot(close, "Close", color=color.blue, linewidth=2)

def main():の下の行は、4個のスペース分だけ字下げされています。このインデントもコードの一部です。コピーするときに残してください。

実行する

コードの上に表示されるRun Pyne codeをクリックします。データの選択を求められたら、DEMOBTC @ 1Dと書かれたdemoを選びます。これがdemo.ohlcvです。

データ選択画面に、DEMOBTC @ 1Dという説明の付いたdemoが表示されている。
demoを選ぶとサンプルデータを使えます。DEMOBTCはデモの名前で、1Dは日足を表します。

データの選択は、どのローソク足でプログラムを動かすかの指定です。今のコードは、選んだデータの終値を描画します。

first_chart.pyのコードの横に、DEMOのローソク足チャートとCloseという青い線が表示されている。
first_chart.pyを実行すると、各ローソク足の終値をつなぐ青い線がチャートに表示されます。

チャートでは、時間は左から右へ進みます。青い線は、連続するローソク足の終値をつないでいます。

画像には、プロジェクト作成時にPyneIDEが生成するものと同じデモデータを使っています。別途ダウンロードしたり、コピーしたりする必要はありません。各ローソク足の位置で、青い線が終値を通っているか確認してください。

チャートが表示されない場合

まず、エディターにエラーが表示されていないかを確認します。ファイルの場所と拡張子、コードの最初の3行、plot行のインデントを見直してください。手入力した場合は、例題全体をもう一度貼り付けてみます。

Run Pyne codeが表示されない場合は、PyneIDEがインストールされて有効になっているか、ファイル冒頭が例題と完全に同じかを確認してください。

実行環境がまだ用意できていなければ、PyneIDE: Setup Environmentを開きます。実行時のデータ選択も最後まで行ってください。選択画面が開いたままなら、入力を待っている状態です。

自分で試す

コード内の"My First Chart"を探し、次の文字列に変更します。

"My Price Line"

実行前に考えてください。線の形が変わるのでしょうか。それともプログラムの名前でしょうか。

ファイルを保存し、同じデータで再実行してください。

解答

変更する行は次のようになります。

@script.indicator("My Price Line", overlay=True)

プログラムのタイトルが変わります。計算とデータは同じなので、線の形は変わりません。

次へ進む前に

プロジェクトを開き直して、first_chart.pyを見つけ、サンプルデータで実行できるでしょうか。手順を読み返さずに試してください。迷ったら、この章の該当箇所を探しましょう。

次の章ではこのプログラムを1行ずつ読み、終値に加えて始値も描画します。